お客様にも、スタッフにもやさしい設計へ。生活の木が実現した思いやりポイント戦略とは?

お客様にも、スタッフにもやさしい設計へ。生活の木が実現した思いやりポイント戦略とは?

ハーブ・アロマテラピー専門店として全国に80店舗以上を展開する「生活の木」様。2024年のShopify移行と同時に「どこポイ」を導入し、ポイント制度の抜本的な見直しを行いました。

従来のシステムでは購入のたびに有効期限が延長される仕組みでしたが、「ポイントを付与する以上は、お客様にきちんとお得にお買い物をしていただきたい」という思いから、ポイントごとに1年間の有効期限を設定する運用に変更しました。失効前の通知メールにより、一通で数百万円の売上につながることもあるといいます。

さらに、Shopify Flowを活用して複雑だったポイント付与を自動化することにより、店舗スタッフの負担軽減と退職率の改善、カスタマーサポートの電話問い合わせ件数を5分の1に削減するなど、業務効率化も実現。お客様満足度の向上と社内業務の最適化を両立した成功事例をご紹介します。

【インタビュイー】

株式会社生活の木 マーケティング本部 中村様

2014年 株式会社生活の木に入社され、店舗・マーケティングの部門を経て2022年よりEC事業本部を統括。2024年には、自社EC・B2BのECをShopifyにリプレイスを担当し、2025年からはユニファイドコマース深化のためマーケティング本部を担当。

生活の木:https://www.treeoflife.co.jp/

【目次】

ポイント失効通知で売上向上。ポイントが切れる前に使ってもらえるように。

問い合わせ数が5分の1に! 複雑な付与率の変更を自動化することで、社内の業務を効率化。退職率も減少。

パーソナライズされたLINEメッセージを届けるためにポイントを活用

まとめ


ポイント失効通知で売上向上。ポイントが切れる前に使ってもらえるように。

まずは、生活の木について教えてください。

中村様:生活の木は、ハーブ、アロマテラピー関連商品の原材料の輸入、製造、販売までを一貫して行っているメーカー兼小売業の企業です。全国に80店舗以上展開しており、カルチャースクールなどの運営も行っています。

まだハーブやアロマが一般に普及していない時代から、「アロマテラピー検定」や「メディカルハーブ検定」の協会設立の時代から携わり、これらの普及・啓発をしています。

わたしは、現在マーケティング本部にて店舗とECを横断したマーケティングを行っています。生活の木では、ハーブティーやアロマといった商材の特性上「何を使っていいか分からない」という課題がお持ちのお客様が多くいらっしゃいます。そのため、マーケティングという分野においては、特にお客様一人ひとりのニーズに寄り添い、最適な価値ある情報をパーソナライズして提供することで、企業バリューである「世界一『思いやり』ある企業であり続ける」の実現を目指しています。

貴社は2024年にShopify(Plusプラン)に移行されて、どこポイのご利用を開始いただきました。ご利用後にインパクトの大きかった施策を教えてください。

中村様:Shopifyに移行する前に使っていたシステムでは、ポイントの有効期限を購入を起点にして延長する形にしていました。継続的にお買い物をしてくださるお客様には喜ばれる設計でしたが、なかなかポイントを使っていただけない、ログイン情報が分からなくなり、せっかく持っていたポイントに辿り着けないという課題もありました。

これまでは、「何でもいいから1個買っていただけると有効期限が伸びますよ」というコミュニケーションを実施していたのですが、よく考えるとあまり健全ではないなと思ったのです。ポイントを付与する以上は、お客様にきちんとお得にお買い物をしていただきたいという思いがありました。

そのような状況だったので、Shopifyに切り替える際、ポイントの設計を見直すことにしました。

最初はお客様の不満に繋がるのではないかと不安はありました。ただ、思ったよりは多くなかったという印象です。もちろん、何件かお声をいただいたりしたのですが、そこまで多く発生しなかった理由は、失効するポイントの情報を通知したからだと思います。

どこポイでは、Shopify Flowを使うことで失効する月の1日にお知らせメールを送ることができます。そのメールの効果はすごくて、メール経由で最大数百万の売上につながったこともありました。もちろん、ポイントも失効する前にちゃんと利用いただいています。

ポイントを使わずに購入してくれることや知らないうちに失効しているというのは、一見ストアの利益につながるように思えますが、やっぱりちゃんと切れる前に使ってほしいし、お伝えすることが大事だと思っています。この点に関しては、どこポイに変えて、設計を見直したことがよかったなと思います。

問い合わせ数が5分の1に! 複雑な付与率の変更を自動化することで、社内の業務を効率化。退職率も減少。

ありがとうございます! 一通のメールで売上にもなるし、お客様も嬉しいし、いいことづくしですね。今、Shopify Flowというワードが出てきましたが、どこポイではShopify Flowによってさまざまな施策を柔軟に実施いただけることを強みとしています。他に貴社がShopify Flowで実現されていることをお伺いできますか?

中村様:お誕生日などの特典で違った倍率になるポイント付与や毎月実施しているポイントアップキャンペーンなどは、すべてShopify Flowで設定しています。

弊社では、独自の会員制度である「Tree of lifeメンバーシップ」に登録いただくとポイント付与をしています。さらにAEAJ(公益社団法人 日本アロマ環境協会)会員や、JAMHA(日本メディカルハーブ協会)会員、JAF(一般社団法人 日本自動車連盟)会員の方には、会員証の提示またはクーポンコードの入力をしていただくと、ポイント還元率を変更したり、固定のポイントを付与しています。

こちらは、Shopifyに移行する前から実施していた特典で、新しいシステムになっても引き継ぐことは必須でした。

さらに、バースデー特典や毎月のポイントアップDAYなど、条件によってポイント還元率が大きく変動する設計になっています。

これらは、Shopify Flowを使ってすべて自動化しています。導入時は、Shopify Flowに知見がなかったので、どこポイの担当者にサポートいただきながらワークフローを作りました。今では、社内に「職人」と呼ばれるほどShopify Flowに精通したメンバーもいて、新しいキャンペーンなどはすべて自社で内製できるようになりました。いろんなアイデアを形にできるので、とても助かっています。

 

どこポイでも購入金額に合わせて還元率を変えることができますが、複雑な条件になるとShopify Flowで実施いただいています。柔軟に対応できるのは、Shopifyの強みだと感じています。

中村様:店舗のオペレーションも自動化できたことも大きな変化点です。弊社は店舗POSで「スマレジ」を利用しています。そして、リワイア社*の「Omni Hub」を使って、店舗とポイントの連携も実施しています。

先ほど、ポイントの還元率がかなり変動するというお話をしましたが、実は、以前はお客様の申告に合わせて、店舗スタッフが計算して手作業でポイントを付与していました。そのため、付与漏れや計算ミスが多々発生していました。この部分を自動化することで、店舗スタッフの負担を軽減できています。

また、予期せぬ効果だったのですが、実はこの部分を自動化できたことが一つの理由として、新しいスタッフの定着にも寄与していると思います。

弊社は商品の情報で覚えることがたくさんありますが、そもそも商品が好きなスタッフが大半なので、情報自体を覚えることは苦ではありません。そこに複雑なオペレーションや操作を覚えるとなると、負荷がかかり、「思っていたのと違う」という不一致を起こしやすくなります。でも、システムをしっかり整えることで、本来の接客に集中できるようになりました。

*導入当時は株式会社フィードフォース。2025年6月に株式会社フィードフォースから株式会社リワイアへ事業承継。

 

こんなところにも効果があったんですね。

中村様:そうなんです。もう一つ、カスタマーサポートの業務も効率化できています。以前は店舗のデータが連携できていないので、例えば「誕生日ポイントが付与されていない」といったお問い合わせをお客様からいただいても、本当にお客様の誕生日なのか、注文内容が正しいかなど、誰も確認する手段がありませんでした。

ですが、今では、Shopifyの履歴やデータを確認すれば付与すべきポイントがひと目でわかり、すぐに対応できるようになりました。また、自動化していることでそもそものお問い合わせ件数も減っていて、それまでは1日50件ほどあった電話も、今では10件もかかってこない日もあります。削減された時間でメルマガを作ったり、商品ページを作り変えたり、改善に時間を割けるようになりました。業務内容も変わって、意識が上がっている印象もあります。

パーソナライズされたLINEメッセージを届けるためにポイントを活用。

その他、ポイントによって良かった部分はありますか?

中村様:「お気に入りの店舗を登録したらポイントプレゼント」という施策は、効果がありますね。

弊社では、「CRM PLUS on LINE」でLINEでのメッセージ配信を実施しています。メールもそうですが、LINEでのメッセージは特にパーソナライズされた内容であることが重要だと思っていて、お客様に関係のない内容は極力送らないことを意識しています。

店舗の情報を送ることもあるため、LINEでお気に入り店舗の登録を促しています。店舗の情報は購入履歴から取得することもできるんですが、複数の店舗にまたがっていたり、お引越しなどでよく行く店舗が変わったりすることがあります。そのため、各お客様がどの店舗をよくご利用されているかを、常に新しい情報として把握できることで、パーソナライズされたメッセージが送れると思うのです。

そのために、ポイントをインセンティブにしているんですが、多くの方が登録してくださっています。こういった正確な情報を取得して効率的にメッセージを配信しつつ、お客様にきちんとお礼をお渡しして、必要な情報をお届けするという流れにポイントが活用できるのは嬉しいですね。

ありがとうございます! 最後に今後取り組みたいことがあれば教えてください!

中村様:今後は商品だけでなく、ワークショップやスクールといった無形商材も同様にオンラインから予約し、店舗で受講できるような仕組みを整える予定です。現状は、スクールとオンラインショップのポイントが分断しているのですが、こちらも統合して、ワークショップやスクールでもポイントが獲得・利用できるようにしていきます。これにより、よりお客様がポイントを使いやすい環境を整えていきたいと思います!

まとめ

生活の木様の取り組みから見えてくるのは、「お客様への思いやり」を起点にした仕組みです。

これらすべてが、企業バリューである「世界一『思いやり』ある企業であり続ける」の実現につながっています。お客様のことを真剣に考えた施策こそが、最終的に売上向上と業務効率化という企業にとっての成果をもたらしているのだと思います。


どこポイについて

初心者も安心な日本語サポートが充実したポイントアプリです。日本のポイント商習慣に合わせた仕様となっており、ポイントの付与条件や還元率を自由にカスタマイズできます。たまったポイントは商品購入や商品交換に利用できるほか、会員ランクの設定条件としても活用できます。 外部連携機能により、誕生日ポイント、会員ランクでポイント付与率変更など、LTV向上や顧客ロイヤリティに繋がる様々な施策の実現をサポートします。また、EC/店舗で共通ポイントの運用も可能です。(Shopify POS、スマレジに対応)


サポートサイト:https://dokopoi.rewired.jp/

アプリストア:https://apps.shopify.com/dokopoi?locale=ja

お客様のことを第一に考えた失効通知により、ポイントを無駄にさせることなく、結果として売上向上を実現しました。複雑なオペレーションの自動化によって生まれた時間で、スタッフは本来の接客やメルマガ制作などの顧客体験向上に集中できるように。そしてお客様一人ひとりに寄り添ったパーソナライズ通知で、本当に必要な情報だけをお届けする。